公開当時、知り合いに「ぜひ観た方がいい」と熱心に勧められていたにも関わらず、こちらの温度はそれほど上がらなくて結局観に行かなかった「崖の上のポニョ」を昨日、金曜特別ロードショーで観ますた。
結論から言うと途中から集中できなくなっちゃってて、そんなにオレ好みの映画ではなかったんだけど、なんとなくなんか書けそうだから書いてみることに。
そもそも、なんでオレがこの映画ダメだったのかというと、それはこれが「ファンタジー」だったから。
なんかいろいろありえないシチュエーションがいっぱい起こる漫画だったり、活字だと大丈夫なくせに、こと映像作品になると、なぜかオレには「ファンタジー拒絶反応」が出てきます。ハリー・ポッターも結局途中でつまんなくなっちゃったし、ロード・オブ・ザ・リングも「ドラクエ好きなら絶対観た方がいいよ」とか勧められてたのに「どうせファンタジーでしょ」と言って観に行かなかった、というくらい、どういうわけかオレはファンタジー映画が苦手です。
よくないことにすぐ「こんなのありえないよ」とか言っちゃうんですよね。ありえないことが起こるのが、ファンタジーのおもしろさのひとつだと思うんですが、そこがまず根本から理解できてないという、かわいそうな人なんですわ。
だから「ポニョ」も観ながら、ソウスケが両親のことを名前で呼ぶのがえらく気になったり、運転しながらよそ見をしているソウスケの母親を見てイライラしたりなど、細かいことが気になってしまい、全然ストーリーに入り込めませんでした。大人になるってイヤね。
ただ、だからこそというわけじゃないけど、ファンタジーとしてはものすごく秀逸な作品であることは間違いないと思います。
なんといってもすごいのは、ポニョの場合、日常生活の延長線上にファンタジックな世界が存在してることなんだよな。
どういうことかと言うと、たとえば「ポニョ」の前に作られた「千と千尋の神隠し」。アレは、普段千尋が生活している現実世界と、千のいる世界との間をトンネルで区切っていて、それがひとつのスイッチの役目を果たしていたわけです。観ている方も、そこをきっかけに頭の中で現実と幻想の切り替えをすることができた。そのおかげで「千と~」は、大人にも受け入れられる作品になったんだと思うのです。
ところが「ポニョ」では、現実世界と幻想世界との間に区切りがない。
ソウスケはじめ、みんなが暮らしている世界のすぐ横にポニョの世界が存在しています。何十年もずっと現実ばかり見て生きている大人にとっては、たぶんその現実と幻想との間に切り替わりのポイントがないということがありえなく感じられてしまうんだと思います。
ネットの評価を見ても「ポニョ」の評価って結構好き嫌いがパッキリ分かれているんだけど、それはきっと、そのスイッチ的なことの有無が関係しているんじゃないかなと、そう感じるわけです。
事実オレもそこがつらいところでした。
でも「千と~」は同じファンタジーでも平気だったので、「じゃあ、なんでだろ?」と考えたらこの結論に達して、自分で妙に納得してしまいました。
ちなみに「トトロ」のスイッチ的なポイントは「子どもにしか見えない」というところ、「魔女の宅急便」のそれは「現実に魔女はいないので、ハナから全然別の世界の話だと思える」というところだと思います。最後のはスイッチじゃなねえな。ま、いいか。
というわけで、なんか長くなったけど、ポニョはオレの好みではなかったですが、結局いい映画なんじゃね、というお話でした。
* 松方チョットいい話 *
数あるスタジオジブリ作品の中で、オレがもっとも好きなのは実は「おもひでぽろぽろ」です。ラピュタも好きですが「おもひでぽろぽろ」の、小学生くらいのなんとも言えないあまずっぱい感情をあれだけ繊細に表現した映画はほかにないと思います。
これも好き嫌いの分かれる作品だと思うけど、オレは大好きです。
でも、DVD持ってないことは、ここだけの話な。






